外壁に穴を開けずに設置!独立式テラス屋根のメリット・デメリットと選び方​

  • 庭にテラス屋根を付けたいけれど、種類がわからない
  • 独立式テラス屋根のメリットとデメリットを知りたい
  • 独立式テラス屋根の設置費用やメンテナンス方法について詳しく知りたい

独立式テラス屋根の選び方や費用面で悩む方は多くいます。慎重に選ばないと、スペースや建築基準法の問題で設置できない可能性があるため、注意が必要です。この記事では、独立式テラス屋根のメリット・デメリットから選び方、設置の流れ、費用、メンテナンス方法まで徹底解説します。

記事を読めば、最適な独立式テラス屋根を選べるようになり、後悔のない設置ができます。独立式テラス屋根のメリットは、壁のない場所に設置できる点です。自由に設置して、独立式テラス屋根で快適な空間を作りましょう。

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独立式テラス屋根のメリット

独立式テラス屋根のメリットは、以下のとおりです。

  • 壁のない場所に設置できる
  • 建物の美観を損なわない
  • 比較的簡単に設置できる

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壁のない場所に設置できる

独立式テラス屋根の最大のメリットは、住宅の壁面に取り付ける必要がないことです。リフォームや建物の構造に影響を与えずに、庭の空きスペースなど、好きな場所に自由に設置できます。タイルデッキを設置した場所や庭の真ん中など、壁から離れた場所にもテラス屋根を設置できるため、空間を有効に活用できます。
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建物の美観を損なわない

独立式テラス屋根は圧迫感がなく、既存の庭やガーデニングスペースとの調和を保ち、建物の外観デザインを崩さない構造です。デザイン性の高い製品も多く、独立式テラス屋根は庭の景観を向上させる効果も期待できます。

独立式テラス屋根は将来的な移設や撤去も比較的容易で、ライフスタイルの変化に合わせた柔軟な対応が可能です。建物の構造強度に影響を与えずに設置できるため、独立式テラス屋根は家の美観と安全性を両立できます。

比較的簡単に設置できる

他のエクステリア製品と比べて独立式テラス屋根の設置は比較的簡単です。専門的な知識や技術がなくても、自分で設置できる製品が多く存在します。最近の独立式テラス屋根には、DIY向けの組み立て式キットが販売されています。説明書に従って組み立てるだけで、技術や知識がなくてもテラス屋根を設置可能です。

基礎工事は簡易的なものが多く、大がかりな工事は必要ありません。壁付けタイプのテラス屋根と比較すると、建物本体への加工や補強が不要なため、比較的シンプルな工事で設置できます。独立式テラス屋根は専門業者に依頼する場合でも、設置は通常1~2日程度と短期間で完了します。

独立式テラス屋根のデメリット

独立式テラス屋根のデメリットは、以下のとおりです。

  • 広い設置スペースが必要になる
  • 支柱による圧迫感がある

広い設置スペースが必要になる

独立式テラス屋根のデメリットは、広い設置スペースが必要になることです。設置には最低でも3m×3m程度の広さが必要となり、限られたスペースでは設置が難しい場合があります。テラス屋根の本体だけでなく、支柱を設置するためのスペースも確保しなければなりません。設置前に製品の実際の寸法を確認しましょう。

独立式テラス屋根は風の抵抗を受けやすくなるため、十分なスペースがない場合は安全性が低下する可能性があります。テラス屋根は建築基準法上の制約も考慮する必要があります。

支柱による圧迫感がある

独立式テラス屋根を設置すると、支柱による圧迫感が生じます。複数の支柱が必要となるため、庭の開放感や景観が損なわれます。小さめの庭では圧迫感がより強調されるため、テラス屋根のデザインや配置には注意が必要です。家族構成や人数が多い家庭では、支柱が動線の妨げになります。

デザイン性の高い支柱を選んでも、圧迫感を完全に解消できません。角に支柱を設ける構造では、大きな屋根を設置する際に、中央にも支柱が必要になる場合があります。経年劣化で支柱が傾いてくると、見た目の美しさが損なわれるだけでなく、安全性に問題が出る可能性があります。

独立式テラス屋根の選び方

独立式テラス屋根を選ぶポイントは、以下の2点です。

  • 目的別に選ぶ
  • 気候条件に合わせる

目的別に選ぶ

独立式テラス屋根を選ぶ際は目的を考慮すると、より快適な屋外空間を作れます。日差しを遮りたい場合は、UVカット機能が高いポリカーボネート屋根材がおすすめです。UVカット機能により日焼けの心配なく屋外でくつろげます。雨を避けたい場合は、水はけの良い勾配設計と防水性の高い素材を選びましょう。
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バーベキューなどの調理スペースとして使う場合は、耐熱性の高い素材が必須です。火の粉や高温に強い素材を選ぶと、安全に料理を楽しめます。くつろぎ空間として使う場合は、デザイン性の高いタイプや間接照明付きのものがおすすめです。夜でも雰囲気の良い空間で、家族や友人との時間を満喫できます。

子どもの遊び場として活用したい場合は、耐久性と安全性に優れたタイプが適しています。角が丸いデザインや耐衝撃性の高い屋根材、安定性の高い素材を選びましょう。ガーデニングスペースとして使う方は、半透明で日光を適度に通す素材が最適です。

気候条件に合わせる

居住地域の気候条件に合わせると、安心して長く使える独立式テラス屋根を選べます。降雪地域では、雪の重さに耐えられるモデルを選ぶ必要があります。台風が頻繁に来る地域では、耐風圧性能が高い製品を選びましょう。支柱の強度を上げたり、支柱の数を増やしたりといった対応も大切です。

沿岸部ではアルミやステンレスなどの素材が適しており、塩分による腐食を防いで製品が長持ちします。雨の多い地域では、雨水がスムーズに流れる排水性に優れたデザインを選んでください。水はけが悪いと屋根に水が溜まり、重量の増加や腐食の原因につながります。

寒冷地では、結露防止加工された製品が適しています。結露は木材の腐食や金属部分の錆の原因になるため、注意が必要です。暑い地域では、遮熱・断熱性能の高い屋根材を検討してください。

独立式テラス屋根を設置する流れ

独立式テラス屋根を設置する流れは、以下のとおりです。

  1. 設置場所を選ぶ
  2. 素材を選ぶ
  3. 基礎工事をする
  4. 組み立てる

設置場所を選ぶ

独立式テラス屋根の設置場所は、日当たりと風通しが良い南向きや、東向きの場所がベストです。朝日を浴びながら朝食を楽しんだり、程良い日差しの中でくつろいだりする際に適しています。地盤が弱い場所では、沈下や傾きが生じる可能性があるため、追加の補強工事が必要な場合があります。

家族構成や生活スタイルの変化に合わせて、後から屋根を増設できるよう余裕をもたせておくと安心です。既存の排水設備や水道管、電気配線の位置も確認しましょう。バーベキューをする場合は、水道や電源などの設備に近い場所を選ぶと便利です。

素材を選ぶ

独立式テラス屋根の代表的な素材と特徴は、以下のとおりです。

  • ポリカーボネート:軽量で施工しやすく、価格が比較的安い
  • アルミ:軽量で耐久性に優れ、メンテナンスが簡単、熱がこもりやすい
  • ガラス:高級感があり耐久性も良好、価格は高め
  • 木材:自然な風合いが魅力、定期的なメンテナンスが欠かせない
  • スチール:強度が高いものの重くて錆びやすい
  • 樹脂素材:天候に強く、デザインの幅が広い

独立式テラス屋根の素材を選ぶ際は、フレーム部分と屋根部分の組み合わせも考慮してください。

基礎工事をする

テラス屋根の基礎工事には、地盤の状態確認や基礎位置のマーキング、型枠の設置、水平確認、コンクリート施工などがあります。コンクリートの乾燥には1週間程度かかるため、工事を中断する必要があります。焦って次の工程に進むと基礎が不安定になり、トラブルにつながる可能性があるため注意しましょう。

寒冷地では、凍結線より下まで基礎を設ける必要があります。凍結による地盤の動きがデッキの歪みや損傷につながるのを防ぐためです。基礎工事前に地下配線や配管位置の確認も大切です。誤って既存の設備を傷つけると、予想外の修理費用がかかるため注意してください。

組み立てる

基礎工事が完了したら、テラス屋根を組み立てます。組み立てに自信がない場合は安全面を考慮して、専門業者への依頼がおすすめです。テラス屋根の組み立て手順は以下のとおりです。

  1. 支柱を垂直に立てる
  2. 水平器で傾きがないか確認する
  3. 支柱同士を連結バーで固定する
  4. 屋根フレームを支柱に取り付けてボルトを仮止めする
  5. 屋根材を取り付ける
  6. すべての部材の位置を最終確認してから本締めをする
  7. 雨水が適切に排水されるよう屋根の傾斜を調整する

テラス屋根の組み立てが完了したら、全体にがたつきや緩みがないかを点検します。接合部分がしっかりと固定されているか、入念にチェックしてください。

独立式テラス屋根にかかる費用

独立式テラス屋根にかかる費用について、以下の2点から解説します。

  • 初期費用の内訳
  • ランニングコスト

独立式テラス屋根の設置費用は、材質やサイズにより平均30~100万円程度です。

初期費用の内訳

独立式テラス屋根の初期費用の内訳は、以下のとおりです。

  • 本体価格:10~50万円
  • 基礎工事費:3~10万円
  • 設置工事費:5~15万円
  • 配送料:5千~5万円
  • オプション費用:5千~5万円
  • 設計費:3~10万円
  • 解体・撤去費:2~5万円
  • 諸経費:見積総額の10~15%程度

テラス屋根の本体価格はアルミ製か木製か、屋根材はポリカーボネートかガラスかなど、素材によって価格帯が大きく変わります。アルミ製は40~80万円、ポリカーボネートは20万円以上、ガラス屋根材は60万円以上が相場です。工事費用は別途10~30万円程度必要です。

DIYなら材料費のみで15~40万円に抑えられます。業者に依頼する場合は、複数の見積もりを取っての比較検討がおすすめです。追加費用が発生しないか事前に確認しましょう。

ランニングコスト

独立式テラス屋根の設置後のランニングコストは、年間5千~1万5千円程度です。屋根面の清掃は年間5千〜1万円程度、防水・防汚コーティングは3〜5年ごとに1万5千〜3万円かかります。支柱部分の錆止め処理は、2〜3年ごとに1〜2万円程度です。

排水溝の清掃費用は年間3〜5千円、破損部品の交換費用は5千〜5万円程度かかります。屋根材の交換が最も大きな出費です。屋根材は一般的に10〜15年ごとの交換が必要で、8〜20万円程度かかります。積雪地域で雪下ろしが必要となった場合の費用は、1回当たり5千〜1万5千円程度です。

住宅保険に独立式テラス屋根を含める場合は、年間3千円程度の保険料がかかる点に注意しましょう。

独立式テラス屋根のメンテナンス方法

独立式テラス屋根のメンテナンス方法について、以下の2点から解説します。

  • 定期的な掃除と点検
  • 修理・交換のタイミング

定期的な掃除と点検

独立式テラス屋根を長持ちさせるためには、定期的な掃除と点検が欠かせません。年に2回以上、春と秋の清掃がおすすめです。落ち葉や鳥の糞、雨水による汚れを放置すると劣化が進みます。高圧洗浄機は屋根材を傷める可能性があるため、使用する場合は圧力を弱めに設定してください。

独立式テラス屋根の掃除と点検項目は、以下のとおりです。

  • 屋根の清掃
  • 排水溝の清掃
  • 支柱やフレームの点検
  • 屋根材の点検

自分で独立式テラス屋根の点検が難しい場合は、専門業者による年1回の点検サービスの利用を検討しましょう。プロに見てもらうと、小さな問題も早期に発見できます。

修理・交換のタイミング

独立式テラス屋根は定期的なメンテナンスをしても、修理や交換が必要になります。屋根材の劣化は見落としがちです。独立式テラス屋根の劣化は、紫外線によって徐々に進行しています。ポリカーボネートなどの素材は年数が経つと黄ばみや曇りが生じるため、見た目の問題だけでなく耐久性も低下します。

メーカーの保証期間が切れ、部品供給が終了した場合も交換を検討すべきです。部分的な修理ができず、不具合が生じたときに対応できなくなります。地震や台風などの大きな災害の後は、目立った損傷がなくても構造的な不具合が生じている可能性があります。修理か交換かの判断に迷う場合は、専門業者に相談しましょう。

独立式テラス屋根に関するよくある質問

独立式テラス屋根に関するよくある質問は、以下のとおりです。

  • DIYでも設置できる?
  • 設置に許可は必要?

DIYでも設置できる?

独立式テラス屋根はDIYでも設置可能です。小規模なキット商品なら、DIY初心者でも比較的簡単に取り付けられます。大型の独立式テラス屋根は、複数人での作業が必要です。本格的に大型の独立式テラス屋根を設置する場合は、安全面を考慮して専門業者へ依頼しましょう。DIY設置で最も難しいのは基礎工事です。

基礎がしっかりしていないと、強風や積雪で屋根が倒壊する危険性があるため、慎重に作業してください。DIYと業者への依頼を組み合わせる選択肢もあります。技術的に難しい基礎工事だけをプロに依頼し、組み立てを自分で行うと費用を抑えながら安全性を確保できます。

設置に許可は必要?

独立式テラス屋根の設置は、規模や地域によって許可が必要な場合があります。一般的に10㎡以下の小規模なテラス屋根であれば建築確認申請は不要ですが、10㎡を超える場合は申請が必要です。

独立式テラス屋根の設置による許可の必要性は、以下の点によって変わります。

  • 設置面積
  • 建ぺい率・容積率
  • 地域の風力強度
  • 設置場所の条件

自治体によって設置の規制が異なるため、事前に自治体の建築指導課に確認しましょう。分譲住宅や住宅街では、管理組合や自治会の独自ルールで設置が制限されているケースもあります。道路に面した場所にテラス屋根の設置を計画している場合は、道路占用許可が別途必要になるケースもあるため、注意してください。

まとめ

独立式テラス屋根は、壁のない場所に設置できる便利な設備です。建物の美観を損なわず、比較的簡単に設置できます。しかし、独立式テラス屋根は広い設置スペースが必要で支柱による圧迫感が生じるため、慎重に選択する必要があります。選ぶ際は設置の目的を考え、居住地域の気候条件に合ったタイプを選びましょう。

独立式テラス屋根は、初期費用とランニングコストの事前の把握が重要です。長く製品を使うためには定期的な掃除・点検を行い、適切なタイミングでの修理・交換を心がけてください。独立式テラス屋根の適切なメンテナンスによって、快適な屋外空間を長く楽しめます。

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